『戦略とは何か①-企業の基本設計図』

経営学者で一橋大学名誉教授の伊丹敬之先生の『経営を見る眼』、サブタイトル「日々の仕事の意味を知るための経営入門」の著書は私にとってのバイブルです。

この伊丹先生の著書を拝読させて頂いた時、当時平成14年1月17日の日本経済新聞のやさしい経済学ー経営入門ーのコラムの切り抜きを読み返しました。

伊丹先生の全6回のコラムの第1回目、「企業の基本設計図」を当時私なりにまとめたものを下記に載せて頂きました。

 

企業の事業活動が利益という成果を生み出すかどうかは、2つの条件で決まります。

条件1.企業が提供する製品やサービスを顧客が選択してくれること

条件2.提供のコストが顧客の払ってくれる価格より小さいこと

そのためには、企業は組織として多くの人々の共同作業体として活動します。

 

その共同作業がうまくいくためには、二つの条件が必要です。

条件1.みんなが共通の方向を目指して動くこと

条件2.個々の人々の活動や作業がきちんと効率よく行われるように、組織に資源や能力が整っていること

 

企業の長期的発展のためには、

1.市場で自社製品が選択される魅力を作ること

2.その実現のために組織内の活動とその能力の基盤を整えること

が重要です。

 

戦略とは、この2つの要件を実現するための基本構想のことです。

つまり、「市場の中の組織の活動の長期的な基本設計図」が戦略の定義です。

本質1.「市場の中の」

戦略の良し悪しは、あくまで市場競争の中で判断されること

本質2.「組織の」

戦略が人間集団を率いるための構想であること

本質3.「活動」

戦略が実行可能なアクションの構想でなければならず、実行のためには資源配分の裏付けが構想の中に入っている必要があること

本質4.「長期的」

長い時間的視野を見すえた構想が必要であること

本質5.「基本設計図」

基本構想を語るのが戦略であって、ディテールをすべて設計することではない

「こうしたい」という意図や夢を込めた構想であること

 

戦略とは、「自分たちはどういう企業になりたいか」を語る構想のことです。

 

『戦略とは何か②-組織レベルで違う内容』