事業戦略の立案と経営提言の骨子づくり

事業部単位で「事業戦略」を立案し、それを経営者や経営幹部にプレゼンテーションできる経営提言の場を持つような全員経営型の会社になることが非常に大切です。

お仕着せの事業運営ではなく、事業部単位で事業戦略を立案し、経営者や経営幹部に経営提言し中期短期経営計画に参画していくことがこれからの時代に求められます。

もちろん、組織や従業員数の規模によって1事業部や1業態あるいはお店単位だとしても考え方は同じです。

 

事業戦略の立案の4つのポイントは、

1.自社の創業精神と成長パラダイムを確認すること

2.現状の財務的課題を必ず確認すること

3.自社の強みと弱みを確認すること

4.以上のことから、論点を整理すること

以上の4つの作業は絶対に欠かせません。

 

まず、「パラダイム(paradigm)」とは、ある時代に支配的な物の考え方、認識の枠組み、規範のことです。

NPCコラムでもパラダイムの変革が必要と述べていますが、しなければならない=MUSTではありません。

過去の成長パラダイムには、創業者の創業精神が息づいています。

しなければならないことは、それを全否定することではなく、まずは確認し、次の時代に適応するために必要であれば変革するという考え方です。

パラダイムに盲目的では決して会社は成長しません。

「変えなくてよいことと、変えなければならないこと」を精査し実行するということです。

 

次に、財務的課題を必ず確認するとは、根拠となる財務数値が必要で、アバウトであったり感覚値になってはならにということです。

まさに「どんぶり勘」NGです。

 

そして、自社の強みと弱みを確認するうえで大切なことは、

①あくまで競争相手との関係の中で

②現在とこれからの環境との適応力という視点で

の2つがポイントです。

また、顧客の視点、マーケティングの視点、オペレーションの視点、人間力の視点にたって確認することです。

BSC(バランス・スコアカード)の4つの視点とは若干異なりますが、この4つの視点が次のSTEPである共創戦略MAPの作成につながってきます。

 

規模の大小にかかわらず、中小規模のフードビジネスや個人飲食店経営でも部門長やリーダーを中心に、従業員による事業戦略を経営提言として受け入れる受け皿がある会社が将来の勝ち組になります。

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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。