「戦略MAP」のベースになるBSCの全体像

ビジネスにおける典型的なスコアカードの「バランス・スコアカード」=BSCを、「戦略MAP」の観点から簡単に全体像を視てみると、キャプラン&ノートンのBSCの開発のきっかけは、

1.従来の管理会計のあり方に疑問を持ったことが始まり

2.例えるならば、バックミラー(結果指標)だけで運転をしていくのか、フロントビュー(先行指標)が必要ではないのか

3.品質とコストが競争優位であった時代は、従来の予算統制でーたで十分マネジメントやコントロールが出来ていた。

しかし現在は競争のルールが変わってきて、自社の競争の武器である「コア・コンピタンス」を管理する必要がでてきた

4.特に従来の予算制度は、競争の仕方や中長期的な観点での能力の獲得と開発について、検証できる指標が明記されていない

5.自社内で数多く実施されているプロジェクトを統合管理したい

という大きく5つと言えます。

 

次にバランス・スコアカード(BSC)のポイントは、BSCはスコアカード(数値)が先にあるわけではなく、戦略を可視化し、戦略が求める業績尺度や成功要因をフレームワーク化したものです。

その戦略立ての根幹にあるものは、「パラダイムの再確認」です。

つまり、従来の成功要因で今後もいいのかどうかをしっかりと検討しなければなりません。

また、自社の収益構造の変化を十分理解した上で、社内(当事者)が議論しながら戦略化していくことが肝要です。

「戦略の策定は合意がスタート」に基づくからです。

 

「戦略MAP」としてのBSCは、以下のことが大切です。

①成功要因の因果関係を検討すること、すなわち「仮説づくり」

②財務的な成果を生み出すために、どのような活動や能力が重要なのかを一連の因果関係としてMAP化すること

③ロジックとして一貫性のある強みの関連性がとらえられていること

④他の模倣ではなく、自社の事業の特徴がとらえられていること

⑤社内(当事者や関係者)で開放的な討議検討の場が持たれたものであること

 

「バランス・スコアカード」=BSCは、経営戦略のための優れたマネジメントシステムであり、業績の評価の手法です。しかし小さな会社には正直重すぎるのかもしれません。

中小規模のフードビジネスをはじめ規模の小さな会社は、まず「戦略MAP」に特化してみることが、変革の実行の質とスピードを実感できるかもしれません。

 

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経営戦略上位概念③-コア・コンピタンス-