「成長と維持」の視点で見る、企業の永続性

企業(会社)を「成長と維持」の視点でにみてみると、企業は「ゴーイング・コンサーン」と言われます。

たびたび出てくるこの「ゴーイング・コンサーン」という言葉は、「永続事業体」を意味しており、「生まれた企業は決して死なない」ということになります。

しかし、会社をつくることは簡単ですが、続ける事は難しいと言われます。

それは、多くの事業や製品には寿命(ライフサイクル)が存在するという理論が前提となっているからです。

勿論、技術革新や改良を加え、長期間に渡って事業を継続している企業も勿論ありますが。

 

創業者が一つの技術や商製品、サービスで事業を立ち上げた場合、やがてその事業が成長し成熟する頃に、次の新たな事業を創業者の後継者が立ち上げるべき時期に差し掛かります。

首尾よく、新規事業が立ち上がれば、新たな成長が始まります。

この成長の積み重ねが、企業(会社)の「経営革新」と「ゴーイング・コンサーン」の2つを実現します。

 

小規模の同族企業で生計をまかなえれば良いというスタンスの「生業的経営」は別として、大半の企業(会社)は創業30年を迎える頃には成長が鈍化してきます。

ビジネスの世界で、一般に「企業30年説」と呼ばれるものです。

仮に毎年「売上高目標前期比10%増」という目標を立ててみても、実際は定額成長になることが多いです。

売上高10億円の10%と、売上高100億円の10%の成長の違いで分かる理屈です。

定額成長とは、企業規模が大きくなればなるほど、その成長率は鈍化するという意味合いになります。

新規事業の積み上げが企業規模の成長率通りにはならないということです。

従って、社歴の長い企業は、その成長の手段としてM&Aを行うケースが増えるわけです。

 

企業は自社の経営資源を使って自らの力で成長していく「内部成長」と、他の企業の自体や、一部の事業を吸収し成長していく「外部成長」があります。

M&Aは当然後者に当たります。

中小規模のフードビジネスでややもすると、安易なM&Aのケースを見かけます。

どちらを選ぶかは、まさに自社の経営戦略意思決定、さらに保有する資源の配分などによります。

「企業30年説」という理論のもと、自社の成長と維持には何が必要で何が足りないかが企業(会社)の基幹的な活動と言えます。

 

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