フードビジネスの人手不足を嘆く前にやるべきことはやろう
2016年10月25日付の時事通信の配信で「6割超が『人手不足』ー財務省調査」の記事がありました。
以下に一部引用し紹介すると、
【全国の企業を対象に実施した人手不足に関する聞き取り調査結果】
調査機関:全国の財務局
調査期間:2016年9月上旬から10月中旬まで
回答企業:1366社
調査結果:
①人手不足を感じていると答えた企業は全体の63.2%に上り、約3社に2社が人材確保の問題に直面している実態が浮き彫りとなった。
②特に中小企業は人手不足との回答が74.7%を占め、より深刻な状況になっている
③製造業で人手不足と答えた企業の割合が47.7%だったのに対し、非製造業は75.4%を占めた。
人手不足の要因
①募集をかけても集まらない・・・最も多い回答で、製造業は52.3%、非製造業は71.7%
②介護需要が高まる中、供給が追い付かない(医療・福祉)
③長時間、過重労働のイメージがあり敬遠される(飲食)
上記、財務省発表内容
やはり、「長時間、過重労働のイメージがあり敬遠される」などと、飲食業界とりわけ中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営には、かなり深刻な労働力不足で、人材の確保に苦労する声が多く寄せられた結果となっています。
一方、人材確保のための「雇用管理改善」について、日本再興戦略会議資料より、「魅力ある職場づくり」のための雇用管理のポイントがあります。
まずは事業主による「雇用管理改善」が人材確保の最優先事項となります。
人材確保のためには、募集活動を強化するだけでは不十分であり、職場自体の魅力アップを図って、労働者の募集と定着を促進することが必要ということです。
以下に「働きがい」や「働きやすさ」に関する4つのポイントを記載すると、
1.一般的に、休暇、労働時間、給与、賞与額などの労働条件が良好な企業のほうが、「働きがい」意識や「働きやすさ」意識が高い傾向にあります。
2.上記に加え、「働きがい」意識や「働きやすさ」の意識を高めるような雇用管理に取り組むことで、一層の効果が期待できます。
3.「働きがい」意識を高める雇用管理
「働きがい」意識を高めるためには、職場のなかで自分が期待され、役に立っているという意識を持てるような雇用管理を行うことが重要です。
4.「働きやすさ」意識を高めるためには、上記3のほかに、「相談できる体制」「福利厚生」に関する雇用管理も重要です。
人材確保のために、媒体などの募集活動だけを強化しても成果はあがりません。
一般的に人材紹介と呼ばれる「有料職業紹介」が求職者と求人社のマッチングには最適ですが、事業主による「雇用管理改善」が人材確保には急務と言えます。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。