「顧客の理解」から始まるフードビジネスが生き残る

マーケティングは「顧客理解」から始まると言われています。

マーケティングに秀でた企業(会社)は、顧客のことを良く知っていて、つまり「顧客を理解する」ことから始め、結果「顧客分析」が出来ていることになります。

 

「顧客を理解する」とは、「心理的理解」「論理的理解」の二つの側面があります。

1.顧客の「心理的理解」とは、

① 顧客への共感を示すこと

② 顧客の視点で考えること

の二つです。

 

2.顧客の「論理的理解」とは、

① 顧客のおかれている組織状況(環境や立場など)を論理的に把握すること

② 顧客が抱えている問題構造や問題が発生する因果関係を究明すること

の二つとなります。

 

また、「顧客を理解する(=顧客理解)」には、「情報共有」も必要で、これにも二つの側面があります。

1.顧客の「主観的認識」を共有すること

それは、顧客の「主観的認識」として「ニーズ」を知ることです。

つまり、顧客の「問題意識」を把握することであり、その為には、顧客の思考内容の把握が必要になります。

 

2.顧客の「客観的状況」を共有すること

1.の顧客の主観的な「ニーズ」「問題意識」の背景を知るためには、顧客内外の「客観的状況」の理解が不可欠です。

マーケティングを「顧客の創造」と置き換えるならば、すなわち、顧客の「潜在ニーズ」を創出するためには、「顧客そのもの」を理解することが不可欠だということです。

 

そして、「顧客理解」のレベルには4段階あって、

レベル1.「顕在ニーズ」の把握が出来ていない段階

要するに、売り手の都合だけを考え、顧客とコミュニケーションが出来ていないレベルのことです。

レベル2.「顕在ニーズ」をなんとなく理解しているつもりの段階

つまり、顧客の背景や組織状況をしっかりと理解していないので、「なぜそうなのか」まで理解していない段階

レベル3.顧客の自覚を共感できている段階

これは、顧客の「顕在ニーズ」を理解しているし、その背景も分かっているので、顧客と現地点を共有している段階

レベル4.顧客が自覚していない問題を指摘できる段階

ここまでくると、顧客が自覚していない組織内外の状況までも理解し、「潜在ニーズ」を創出でき、現地点(今だけ)ではなく、将来の機会と脅威を指摘できる段階

の4段階です。

 

ちなみに、「顕在ニーズ」とは、現時点(今)直面している問題や課題に対する要求で、表面化しており、自分で認識できていることが多いです。

一方、「潜在ニーズ」とは、問題や課題が認識できておらず、本質が見えづらい状態にあります。

 

中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営には、「顧客の理解」は出来ていると錯覚しがちなサービス業です。

現時点の事業や業態そして店舗が、果たして「顧客理解」のどの段階に位置して、「顧客満足度」とどう関係しているのかを一度診断してみてはどうでしょうか。

 

【関連記事】

外部環境動向モデルにおけるミクロ環境とは

ブランド・マーケティングの観点から

【前回記事】

ビジネスモデルを考えるフレームはどこから始めるか

※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。