フードビジネスの現場のやりがい感から生まれるものは

自社の事業規模を更に拡大していこうと思うならば、経営者は二つの必要性を認識しなければなりません。

一つは、既存事業(複数の事業を展開していても)を、更に拡大させていくこと。

但し、既存事業を拡大していく為には、過去の延長線上ではない、新しい事業計画を策定する必要性があります。

「新しい事業計画の策定」です。

「新しい」とは、単なる既存業務を不変的に遂行することではなく、あくまで自社の独自性を高めた事業計画へと変更していくことです。

 

「新しい事業計画の策定」とは「事業戦略の策定の方法の変更」に同義です。

従来の毎年繰り返されるありきたりの事業計画の延長線上の事業戦略ではなく、あくまでも経営理念と企業理念、ビジョンに基づいた(沿った)新しい事業戦略を生み出すことです。

戦略策定のツールの問題ではなく、「方法の変更」とは従業員の意見やアイデアを広く取り入れながら、目標までの明確な事業計画(プランとスケジューリング)を策定していくことです。

 

もう一つは、新規事業を立ち上げる必要性があることです。

「新規事業の創造」です。

経営者が既存事業だけに甘んじていながらも、従業員に業績向上のみを求めても、与えられた業務を的確にこなしていくことに保身する従業員から提案は上がってきません。

広く従業員からの提案を求め、協力得るような意識改革が必要です。

その提案と協力から新しい事業が生まれるわけで、経営者本人や役員、一部の経営幹部のアイデアだけでは限界があるからです。

 

「新規事業の創造」を全員経営(参加)型に変更すれば、例えば、社員自らが新規の取引先を開拓してくる場合もあるでしょうし、新規の業態などを立ち上げることになったという目に見える成果が上がります。

それが評価につながれば、周囲に相乗効果的に「自分も何ができるか」というロイヤリティ(忠誠心)と個人目標が自然に設定され成長を促します。

 

中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営においても、ただ決められた商品とメニューだけで営業しろとか、提案さえ受け付けない風土からヒット商品が生まれてくることは稀有なことです。

個人目標を自ら設定した従業員が、それが人事評価にもつながると思えば、従業員は率先して提案を必ずしてきます。

その提案は、実は最前線でお客様に接し、お客様の声に耳を傾けた商品開発につながるのは周知のとおりです。

現場にやりがいを生み出すのは、既存事業にしろ新規事業にしろ、全員経営(参画)型に他なりません。

 

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