事業再生のプロが語ったことは、経営の神様の翁に同じ

私の知人に、事業再生などを手掛ける経営者の方がおられます。

その方は、数多くの事業再生を手掛けてきたプロフェッショナルです。

最近お会いした時、その方曰く、

 

なぜか世の中では減っているはずの事業再生系の仕事が多く、最近は超がつくほど多忙です。

事業再生は基本赤字の会社で、赤字の理由が社長(代表者)にある会社がほとんどです。

その社長(代表者)たちのお決まりのフレーズは、「自分は立派な経営者」「自分は悪くないが、うちの社員たちはダメだ」「自分はこうしているのに、社員たちが動かない」「人がいない」などです。

 

一方、「自分はまあまあだけど、うちの社員たちが優秀」「自分がこうしたいと思うことに、社員たちが賛同してくれてガンガン働いてくれる」「きちんと人がついてきてくれる」と仰る上手くいっている社長(代表者)も世の中にはいるのですが。

私は事業再生する社長(代表者)にはっきり申し上げます。

「断言します。今のあなたではダメです」と。

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この知人の経営者のお話が深く頭に残っている矢先、昨日(11月18日付)の東洋経済オンラインに、松下幸之助「派閥をつくる会社はダメになる」という記事がありました。

(出所:江口克彦氏著書『経営秘伝ーある経営者から聞いた言葉』に一部加筆)

その記事の末尾にこういうことが書かれていました。(そのまま引用)

 

わしのいうことを、従業員諸君は聞いてくれたな。

わしの言わんとするところを、思いを、社員の人たちはよう理解してくれた。

わしが今日まで経営をやってこれたのは、社員のみんなのおかげやな。

いつも心のなかで感謝しておるんや。

手を合わせる、そんな気持ちやな。ほんまに。

わしの言うことがつねに正しかった、的確であったとは言えんな。神様ではないからね。

それをわしの周りの人たちがよく補佐してくれた。

ときにわし自身、指示を出した後、あまりいい指示ではなかったな、と思うものもあったけど、かしこまりましたといって、社員諸君がそれぞれ、わしの言葉の奥の、わしの思い、心を読みとって、結局は成功せしめるような努力をしてくれた。

そのことを、わしはよう分かっておる。

そういうことを思うと、かりに今日のわれわれの会社が成功したというならば、それは90パーセントは、社員の人たちのおかげやな。

しみじみ、ありがたいと思う。

 

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