株式上場による経営者のメリットが気になる場合
私の過去のつたない略歴(経歴)の中で、お勤めした会社4社のうち、3社(福岡1社、東京2社)が上場会社でした。
その3社(親会社含め)とも、今ではすべて東証一部の上場会社です。
そのおこぼれのせいか、よく「上場」とはどういうことですか?と聞かれます。
私は「事業承継」や「IPO」を専門分野とするコンサルタントではありませんので、専門外はごくごく簡単に。
まず「事業承継」とは、簡単に言えば、会社の経営を後継者に引き継ぐことです。
中堅、中小企業にとって、「誰を」後継者にして事業を引き継いでいくかは、経営者にとって重要な経営課題です。
なぜならば、もともとオーナー社長(特に創業者)の経営手腕でその会社の強みが発揮され、会社の存立基盤そのものになっているからです。
「事業承継」は、単に次の社長(経営者)を誰にするかという「経営承継」ということにとどまらず、会社の経営権そのもの=自社株を誰に引き継ぐか「所有承継」、そして後継者をどう教育するか「後継者教育」という問題もクリアしなければなりません。
その「事業承継」には、大まかに3つの方法があります。
1.親族に承継する
2.親族以外の従業員などに承継する
3.M&Aで承継する
です。
次に「IPO」とは、新規公開株とか新規上場株式ということで、Inital Public Offeringの頭文字を取った略語で、株を投資家に売り出して、証券取引所に上場申請承認され、誰でも株取引ができるようにすることです。
「株式公開」は、事業承継の概ね2.にあたり、中堅、中小規模の企業が選択を模索するケースが多いです。
先に述べたように、よく上場とはどういうことですか?と聞かれます。
経営者とて質問をすることは何の問題もありません。
しかし、従業員ならまだしも、上場しようとする(上場準備に入った)会社の経営者の方が、あまりにも上場するという本質を理解しておられない方が少なからずいます。
上場による「経営者のメリット」に関しては雄弁ですが。
① 借入金などに対する経営者の債務保証の免除
② 借入金などに対する担保権の免除
③ 創業者利潤の獲得
④ 相続対策 など
「株式上場とは」については、次回以降もう少しだけ述べたいと思いますが、私はこれまで携わってきたフードビジネスの分野から株式上場する会社が増えることは大いに賛成で嬉しく思います。
また地元九州福岡を元気にするためにも、大いに果敢にチャレンジして欲しいと願っています。
しかしながら、事業承継のためではなくとも、外向きには耳障りの良いことを言っても内心、「経営者のメリット」だけを求めるならば、しないほうが良いと思います。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。