福岡市でフードビジネスに参入する場合⑧-こだわり

例えば「福岡市で開業予定のパン屋さん」を題材にしたNPCコラムの前7回のおさらいは、

1.開業前に ①ホームページ(以下HP)を用意しておくこと、②WEBによる集客の仕組みを準備しておくこと

2.HPを創るには、自店の「事業コンセプト」を再確認し、そこから「魅力あるコンテンツ」にし表現すること

3.その「コンテンツ」は「お客様との関係性」を築くもので、「関係性=信頼関係=約束」 でした。

 

「約束を守る」とは、「お客様の期待」を裏切らないことです。

福岡市のある路地裏に、老夫婦の経営する鉄板焼き屋さんがあるとします。

そのお店は、いつもお客様でいっぱいです。

① ご主人は無口で無愛想、頑固一徹な職人風。 奥様は愛想がよく、細かいところまでよく気が利く

③ お店はいかにも古びているが、玄関(ファサード)や店内はいつも小奇麗

④ メニューは鉄板焼きのみで、一日限定で食数が決まっているメニューもある

⑤ 定休日は月曜日のみ

⑥ お店に看板はあるものの、路地裏で場所は分かりづらく、駐車場は2台のみ

⑦ 価格はずっと据え置きで、値上げもなければ値下げもしない

⑧ 食材は産直、無添加で、一切の化学調味料は使わず、言わずもがな美味しい

このお店のイメージはつきましたか、想像してみてください。

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飲食店は、「味、サービス、雰囲気」の総合点です。

いわゆるQ(クオリティ)、S(サービス)、C(クレンリネス)で、Cを清潔感としAを加えるならば、A(アトモスフィア=雰囲気)です。

これは十分条件ではなく、必要条件です。

一昔前は、この「QSC」を守れば、お客様は必ずご来店されるというのが、フードビジネスのチェーンストア理論の基本でした。

今でもこれは絶対に不可欠な前提条件で、すなわち、これさえできない飲食店は存続できないということです。

 

ここに、この「QSC」「付加価値」を付けて、その「こだわり」を貫くことがお客様との「信頼関係=約束を守る」ことです。

すなわち、「約束を守る」とは「こだわり」を貫くことです。

「こだわり」とは、ある意味何でも良いのです。

決めた事をころころと変え、お客様を惑わすより、一旦決めた事は愚直なまでにやりきることです。

一日食数限定はある意味「品切れ」です。

しかし、オーダー(注文)が多いからと言って安定供給できない食材(こだわり)以外に変更はしません。

 

「福岡市で開業予定のパン屋さん(仮定)」ですから、売れるパン屋さんを「ベンチマーキング」することは大切ですが、近視眼を避け、異業態の鉄板焼き屋さん(仮定)も「ベンチマーキング」してみましょう。

この老夫婦が生業的経営者であるかどうかは、ここでは関係ありません。

「弱者の戦略」の本を読まずとも、インターネットが使えずとも、この鉄板焼き屋さんは繁盛店になるはずです。

 

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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。