福岡市でフードビジネスに参入する場合⑩-解読と反応

福岡市のある路地裏に、老夫婦の経営する鉄板焼き屋さんがあることを、第⑧回で想定してみました。

この鉄板焼き屋さんは、インターネットも使えず、ホームページも持たず、折込チラシもポスティング、手配りチラシさえ一切しない繁盛店です。

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ということは、この鉄板焼き屋さんは、「プロモーション戦略」を取っていないことになります。

 

一般的にマーケティングにおいては、「プロモーション戦略」が注視されます。

それは、製品を開発しても消費者がその存在を知らなければ、あるいはその製品が持つ特徴を正確に消費者が把握しなければ、「売上」は上がらないという考え方です。

「プロモーション戦略」は、ターゲットとしている消費者との「コミュニケーション」を上手にとり、消費者の認知度や理解度を上げ、結果として「売上」を上げることを目的としています。

 

この「コミュニケーション」には企業から一方的に情報を発信するだけでなく、消費者から情報を受信することも含まれています。

この「福岡市でフードビジネスに参入する場合」のコラムのテーマである、「開業前にWEBによる集客の仕組みをつくる必要性」は、昨今のITの進化に伴い、インターネットを介して消費者との「コミュニケーション」の手段が多様化しているからです。

競争相手は、この点に独自性を磨き、さまざまな工夫と知恵と施策で消費者との「コミュニケーション」を取ろうとしています。

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では、消費者との「コミュニケーション」を図るにあたっては、これもテクニック論から入っては失敗します。

やはりマーケティングにおける、「コミュニケーション」のプロセスモデルという大きな概念から入らなければなりません。

まず「コミュニケーション」を図るには、送り手である企業側(お店)もしくは受け手である消費者(お客様)が存在することが出発点です。

 

そして、「コミュニケーション」の手段を段階論で説明すると、

➡① 「メッセージ」が必要となります。

➡② この「メッセージ」は「広告」という形で発信されます。

➡③ 広告とは「媒体」という「メッセージ」を送る手段で、例えばテレビ、ラジオ、新聞、雑誌などです。

➡④ 「メッセージ」を送るにあたっては、送り手は「記号化」しています。

※記号化とは、「メッセージ」が文字だけでなく、ロゴマーク、イラスト、写真などの図やシンボルになること

➡⑤ 送られてきた「メッセージ」を受け手は「解読」しなければなりません。

➡⑥ 「解読」のレベルは、受け手(消費者)の教育水準、文化、考え方などによって異なります。

➡⑦ 受け手は「反応」という行動を起こします。

という「段階」があることを理解することが重要です。

 

中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営で、「プロモーション戦略」を取ったが、「反応」がさっぱりということを経験し、社内で問題点を討議したたことはありませんか。

その課題解決は、単にテクニック論ではなく、受け手(お客様)が本当に「解読」⑤⑥できたのかの、そしてどんな「反応」でどんな「行動」を取ったのか⑦の基本概念に立ち返る必要があります。

 

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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。

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