専門アナリストは初期段階で会社のどこを視るのか
中堅・中小規模のフードビジネスにおいて、「株式上場」を視野に入れ、新たな「成長戦略」を描く経営者の方も多いと思います。
今まで何度か「株式上場」に関する記事を投稿しましたが、今回は「アナリストよるヒアリングや調査」に関してです。
「株式上場」を決意すると、証券会社などが営業活動の初期段階として、企業(会社)に専門アナリストによるヒヤリング調査が入るケースが多くみられます。
専門アナリストはどういう観点で会社を調査をするのかと言えば、大まかな流れは、
① 情報収集
② 予備・事前調査
③ 面接調査・実地調査
④ 周辺調査
⑤ 評価、そして調査結果を総合的に取りまとめて報告書を作成
という流れになります。
どのような資料を参考にするのかと言えば、それは多岐にわたります。(ここでは割愛)
また、それ以外にも、例えば日経テレコン21やインターネット検索などを活用して、多方面から情報収集を行っています。
そして、収集した情報を基に、企業(会社)の大まかな分析を行います。
1.財務内容は健全か、収益基盤は確立されているか
2.特定取引先への依存度が高すぎないか
3.資金繰りは大丈夫か
4.業界環境はどうか、成長が維持できる業界か、また競合関係や市場シェアはどうなっているのか
5.事業計画は妥当な内容なのか
6.従来の業績推移からかけ離れた急激な成長が計画されている場合、その前提や根拠に合理性があるのか
7.株主構成はどうなっているのか
8.経営者(経営陣)の持株比率が過半数を占めているか、親会社など経営に影響を与えそうな株主はいないか
9.事業内容が公序良俗に反していないか
(例えば出版業やコンテンツプロバイダーなどでアダルトコンテンツの取り扱い方などが問題になるケースがあります)
10.反社会的勢力に関わる人物が役員や株主にいないか、またそうした人物が関わる会社や組織と取引関係がないか
11.事業展開にコンプライアンス上の問題がないか
(例えば健康食品販売や美容関係サービス業を行っている会社の過大広告が、薬事法やその広告規制に抵触するケースなど)
12.労務管理に問題がないか
(例えば人材派遣会社など、社会保険に加入すべき登録従業員が未加入のケースなど)
このように、提出した資料の予備・事前調査の分析段階でも、大まかにこのレベルまでは前提条件と言えます。
「株式上場」を視野に入れている方は、専門アナリストが予備・事前調査でもこの位は分析してくるので、以前述べたように「決意」が必要です。
また、「株式上場」を視野に入れていない中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営でも、上記は至極「当たり前」の「会社の仕組み」と言えます。
この「当たり前」の「経営戦略」や「管理体制」は規模の大小にかかわらず、必ず整備しておかなければ「会社組織」として社会的には体を成さないと言えます。
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【新着情報】2016年12月6日