マーケティングの概念とは
「マーケティング」とは、「市場」を示すマーケットという言葉に「ING」が付いたものです。
「マーケティング」とは何だろうと考えるにあたり、福岡市では「博多の台所」と呼ばれる活気溢れる「柳橋連合市場」を連想するとイメージがつきやすいです。
「柳橋連合市場」では、新鮮食材の揃った食材市場が軒を連ね、生鮮品の魚介などを山積みにして「売り買い」が行われています。
市場には実にさまざまな人たちが集まります。
市場で食材を買おうと最初から考えてきている人たち、市場に来て何かいい食材はないかと探している人たち、そして、ただの通りすがりの人たちなどです。
そして、市場には買い求める人たちだけではなく、実際に食材を売っている人たち、物流(物を運ぶ)の人たち、そして軒を連ねる市場自体を運営している人たちと、さまざまな人たちがいます。
実は、経営学では「マーケティング」の概念とは、この市場そのものの「仕組み」のことです。
「マーケティング」は「セールス」とは違います。
「セールス」とは市場で「モノ」を売っている行為そのもののことで、すなわち「セールス」とは「マーケティング」の一部分と捉えられます。
「マーケティング」とは、単に「モノ」の売り買いという行為を示すものではなく、「柳橋連合市場」のようにもっと大きな「全体的な概念」として捉えなければなりません。
「マーケティング」の大きな「全体的概念」として、AMA(アメリカマーケティング協会)は次のように定義づけています。
「マーケティングとは、個人と組織の目的を満足する交換の創造をするために、アイデア、商品、サービスなどに関する概念形式、価格、プロモーション、チャネルを計画し、統制するプロセスである」と。
少し難しいですが、重要なキーワードは、
① 「個人と組織」なので、「マーケティング」の対象は、単に消費者だけではなく組織体であること。
② 「交換」とは例えばAとBが対価で取引されること。(このAとBは「モノ」だけではないこと)
すなわち、アイデアやサービスといったものも商品だけではなく対象となること。
③ 価格やプロモーション、チャネルといった要素も含まれること。
④ 最終的には、「計画し、統制するプロセス」であること。
です。
AMAはさらに、
「マーケティングとは、組織的な活動であり、顧客に対して価値を創造し、価値についてコミュニケーションを行うこと。また価値を届けるための一連のプロセスであり、さらに、組織やステークホルダーに恩恵をもたらす方法で、顧客関係を管理するための一連のプロセスである」と再定義しています。
要は、「マーケティング」の概念とは、「売買する仕組み全体を計画し、実行するプロセス」と考えることが経営学上、第一義となります。
そして、ここから「マーケティングコンセプト」が存在します。
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