経営企画室は、部分最適ではなく全体最適を
前回に続き、一般的に代表的な「マネジメント・システム」と言えば、①「中期経営計画」、②「予算管理」、③「目標管理制度」の3つでした。
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「中期経営計画」と「予算管理」の連携の次は、今度は「予算管理」と「目標管理」の関係性についてです。
「予算」自体は、各部門に配分する経営資源の量と、それに伴い期待される財務的成果を表現するもので、そのために従業員がどう行動していくのかを具体的に示す機能を持ち備えていません。
一方、「目標管理」の良くない使い方としては、必要な資源も与えていないのに、高い業績目標のみを要求したり、与えられた限られた資源のみで実現可能的な安易な目標設定をし、いわゆる「お茶を濁す」的な管理手法です。
いずれの場合にも「気合と根性」的な精神主義を持ち合わせなければ、実際の成果を上げているのは一部の従業員だけです。
本来、「予算管理」と「目標管理」をうまく連動させれば、優れた活動目標への資源配分や、実行段階における従業員のモチベーションの確保、高い成果の達成という、あるべき一貫したマネジメント・プロセスを実現することができます。
ここに、「目標管理制度」の導入によって得られる「経営戦略」の共有効果は、「予算管理」と連動している会社も、そうでない(連動する仕組みがない)会社も実はたいした違いがないというある調査結果があります。
つまり、経営企画室のような部署の目からすれば、「予算管理」と「目標管理」を連動させることが、必ずしも「経営戦略」が組織全体に浸透しているという効果を実感できていません。
なぜならば、会社の「経営戦略」を管理する経営企画室は各部門の「横串し」を指す部署ですが、各部門の部門長にとっては、あくまでも「予算」を達成し、個人の報酬に反映されてやすい「目標管理」は「部分最適」の域を越えないからです。
とすれば、「予算管理」と「目標管理」の連動より、「目標管理」を「中長期経営計画」と連動させる仕組みのほうが、「経営戦略」を組織全体に浸透させ、「全体最適」を図ることができると言えます。
前回に引き続き今回まで、3つの「マネジメント・システム」の連動や連携に関して見てきましたが、では、どうやって「経営戦略」を組織全体に浸透させるのか。
中小規模のフードビジネスにおいては、非常に「肝」となる部分です。
バランス・スコアカードを①ビジョンを実現するための戦略を明らかにしたもの、②その業績評価指標を使って組織に落とし込むものと定義すれば、「全体最適」のヒントになるのではないでしょうか。
バランス・スコアカードを「戦略MAP」と「スコアカード」の組み合わせと理解すれば、小規模事業者においてもその規模に応じて、段階的に導入できる仕組みとなります。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。