「要員計画」に必要な「事業計画」は単なる出店計画ではない
「人的資源管理(Human Resources Management)」とは、経営資源の一つである「人」を有効活用し、組織の機能をいかんなく発揮するための「仕組み」を構築し運用することです。
そのためには、「経営戦略」と適合した「人事ポリシー」、①年功主義、②能力主義、③実力主義、④成果主義の①~④が代表的な考え方の中から何を選択するかです。
これら4つの「人事ポリシー」のどれを選択するか、どの組み合わせで行くか、によってその企業(会社)の従業員に対するスタンスで決まります。
例えば、高度経済成長期のように右肩上がりの環境下では、とにかく家族主義的な環境を整備し、大量生産体制を構築すれば企業を成長路線に乗せることができました。
このような経済(経営)環境下では、「年功序列主義」が適していると考えられます。
一方、昨今のような経済環境が不透明で、企業として新規事業開発、第二創業期を位置付けた社内改革などの経営革新が必要な場合は、「実力主義」や「成果主義」が適していると考えられます。
終身雇用は終わったとか、年功序列は古いとかいう一般論ではなく、代表的な4つの「人事ポリシー」のどれを選択するか、またどれとどれを組み合わせるかは、その企業(会社)の「経営戦略」に応じた適正な組織構造で設計することが大切です。
中小規模のフードビジネスにおいては、「経営戦略」を実行するためには、特に経営資源である「人」を適材適所に配置することが重要です。
「雇用管理」とは、従業員の入社から退職までの、いわば企業(会社)内におけるライフサイクルを管理しながら、適材適所を実現していくものです。
単なる必要な人員数の雇用の「数」合わせであってはなりません。
また、中小規模のフードビジネスにおいて、「要員計画」が明確にされている会社は多くありません。
「要員計画」は「事業計画」が明確でなければ、計画の立てようがありません。
しかしながら、急な新規出店計画や新規事業が計画のないまま進められます。
経営者はその時の風を読み、迅速に手を打ちますが、こと「人」に関してはもはやその英断も間違った判断と言わなければならない時代です。
「人」の適材適所とは、①採用と配置、②人事異動、③退職の3つを含め、「人事ポリシー」を明確にしながら管理していかなければなりません。
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【新着情報】2016年12月23日