「業界」の中に構成される「戦略グループ」との競争

企業(会社)は「成長戦略」「資源配分」によって成長していきます。

おもに「外部環境」「内部資源」をうまく適合させるといった企業(会社)単独で成長の枠組みをつくり、実行していかなければなりません。

しかし、現実的には同業他社の存在があり、「競争戦略」をなくしては「経営戦略」を立てることができません。

 

企業(会社)は、自社の独自性を発揮して製品を展開していきます。

一方、この製品を受け入れるのは「顧客」という存在であって、そこは「市場」と呼ばれる「場」が形成されています。

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「市場」は例えば、外食産業という大きなくくりを一つの「市場」として考えることができます。

さらに、その中の居酒屋業態というくくりを一つに「市場」として考えることもできます。

さらに実際には、学生などの若者向き居酒屋もあれば、サラリーマン向け居酒屋などさまざまです。

したがって、総合的に全客層をターゲットにし、メニューをフルライン化する会社(お店)もあるでしょうし、逆にサラリーマンの接待需要に特化し、展開するメニューを絞り込む会社(お店)もあるでしょう。

 

このように考えると、「戦略」を展開する会社にとっては、「業界」「市場」は別物(異なるもの)ということになります。

外食産業という「業界」の中に、異なる市場を対象としたいくつかのグループが存在します。

このグループ(企業グループ)のことを経営学では、「戦略グループ」と呼びます。

また、この市場のことを「標的市場」として定義されています。

 

もし、業界を構成するすべての企業が同一の製品を展開していれば、その業界には一つの「戦略グループ」しか存在しないことになります。

しかし、現実的にはこのようなことはほぼ皆無で、すべての業界で複数の「戦略グループ」が存在します。

 

ではこのような「市場=戦略グループ」を構成する各企業(会社)は、主に次の4つで他の「戦略グループ」の企業(会社)との戦略的な違いを発揮しようとします。

勿論、同じ「戦略グループ」内にも「競争」は必ず存在するので、その同グループ内においても4つの項目を重視します。

その4つとは、マーケティングの基本である、

① 製品

② 価格

③ 流通経路

④ 販売促進

です。

 

この必ず繰り返し登場する4項目は、中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営では最も重要なものです。

なぜならば、企業(会社)の業績は、成長率やシェアだけでは決まらず、必ず「競争戦略」に左右されるからです。

 

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