「人はなぜ、働くのだろう」から始まる経営入門書
以前、このNPCコラムで「戦略とは何か」を6回にわたり伊丹敬之先生の新聞掲載コラムを要約する形で、一部抜粋型で記載しました。
伊丹敬之先生とは、経営学者で一橋大学名誉教授で、『経営を見る眼』サブタイトル「日々の仕事の意味を知るための経営入門」の著者です。
この本の表紙2(おもて表紙の裏側)に、
「経営には論理がある。方程式もある。そして揺れ動きもある。そうした眼で経営を見てみると、何が見えてくるのか。経営は人間の総合判断力の幅と深さを鍛える、絶好の知的営業である」
(表紙2引用)
と書かれています。
実際に読んでみないことには、いきなりピンとはきませんが、はしがきの最初には、
「この本は、企業組織の中でマネジャーやさまざまな立場のリーダーになることをめざしている人たちに、企業の経営というものをどのような眼でみればいいのか、その見方を書いた本である」
(中略)
「会社で働いている中堅社員やマネジャー一歩手前の人たちが、企業経営全体を見る眼をもつのは、大きな意味があることだと私は思う」
(はしがきより一部引用)
とあります。
① 自分たちの毎日の仕事の意味はどこにあるのか
② それが経営全体の中でどのような位置づけになるのか
③ 利益とはそもそも何なのか
④ 人はなぜ想定通りに動かないのか
⑤ 組織の全体のマネジメントとは、一体どういうことなのか
ということについて分かりやすく書かれている本だと思います。
特に第4部の「経営の全体像」は非常に興味深いものばかりです。
戦略とは何か、競争優位の戦略とは、ビジネスシステムの戦略とは、組織構造など、成功事例をあげながらなので理解が進みます。
この時期、各社決算時期は別にしても、まず個人事業主であれば1月1日が新事業年度のスタート、法人においても2月決算、3月決算の会社が多いのではないでしょうか。
新事業年度のスタートにあたり経営計画を発表する会社もあるでしょう。
中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営においては、論理や方程式を敬遠する傾向がややもするとありますが、新事業年度を向かえるこの時期、読むと役立つ一冊であるという私見です。
今年の飛躍、事業成長・企業発展の糧として参考にして頂きたいと思います。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。