人的資源管理(HRM)とは
私事ながら直近の3週間、週末は福岡から移動し、東京を中心に首都圏で業務していました。
私が現在、人材紹介サービス(有料職業紹介事業者として)業を事業ドメイン(領域)に持ち、求人者と求職者の斡旋事業を扱っている関係です。
予想通り、飲食業における首都圏の人手不足は、九州の比ではありません。
「成長戦略」を描きながらも、人材不足や人手不足のため遅々として進まず嘆く経営者の方々、一方、現状の組織では将来性がない、労務体制に不満があるなど嘆く従業員の方々。
求人側と求職側のマッチングのため、双方のお話をお聴きしますが、簡潔に申し上げると「これでは人は紹介できない企業様」または「この考えでは職を紹介できない求職者様」という双方が、実は同じような会社に存在するというケースが多いことです。
不幸にも起きてしまった大手広告代理店の事件が拍車をかけ、今国会で議論が活発な「働き方改革」の一つである労働時間の見直しの報道も意味が分かっていない双方がいかに多いことでしょう。
勿論、改正法案の議論の段階なので、詳細は割愛しますが、議論の「三六協定」一つを取り上げても、あまりにも知識が少なすぎるのは、労働者と使用者双方の問題と言えます。
やはり、労働関係法規のみにフォーカス(焦点をあてる)するのではなく、経営資源の一つである「ヒト」という「人的経営資源」を学ばなければなりません。
経営学に「人的資源管理」という言葉がありますが、「人的資源管理」とは、いくら優れた組織構造であっても、その中の組織構成員が活動していくための「指針」や「評価軸」が明確になければ組織は機能を発揮しません。
「人的資源管理(Human Resources Management)」とは、経営資源の一つである「人」を有効活用し、組織の機能をいかんなく発揮するための「仕組み」を構築し運用することです。
そのためには、「経営戦略」と適合した「人事ポリシー」を確立した上で、
① 雇用管理
② 評価制度
③ 報酬
④ 能力開発
という4つのシステムを「人的資源管理」に連動させていかなければなりません。
「人事ポリシー」は、経営理念や経営戦略と密接にかかわっており、一概に何が正しいかということではありません。
年功主義、能力主義、職務主義、成果主義のどれにも一長一短があり、どれを採用するのか、どれとどれの複数を組み合わせるのかなど、その選択採用はまさに経営者や経営幹部の意思決定に委ねられます。
中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営においては、労働関係法規は頻繁に改正が行われるので常に最新情報をチェックしておかなければなりませんが、まずは「人事ポリシー」のメリット・デメリットはしっかりと押さえなければなりません。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。