キャリアとキャリア・アンカーは人財育成の第1STEP

キャリアというと、その問いかけに多くの方は、学歴を含め、○△大学□×学部卒、○△株式会社□×部△○課長、□×部長歴任と答えます。

キャリアとは、長い目で見た仕事生活のあり方をいいます。

過去のキャリアパス(経路)ではなく、その過程にある身につけた能力、動機、価値観のことです。

決して職歴、経歴、キャリアパスではありません。

 

このキャリアは、心底にあるキャリア・アンカーにつながります。

キャリア・アンカーとは、自分のキャリア(仕事生活のあり方)を決める際、指針にも制約にもなり自己イメージのことです。

結局、キャリアとはどこを通ってきたのか、何を見てきたのか、過去を過去回顧するだけでなく、どこにたどりつきたいのかという自己の将来への判断基準にもつながります。

 

人財育成、採用に関して言えば、このキャリア・アンカーは非常に大切な要素です。

アンカーとは船の錨のことです。

キャリア・アンカーを面談時に引き出す採用担当者はなかなかいません。

キャリア・アンカーとは、過去の職歴、それは自分の人生そのものという観点から、次の再就職先に対して、どのような仕事並びに仕事環境が自分にとっての心理的安定をもたらすのかを優先します。

①自分の才能や能力への自覚

②自分の行動様式や欲求

③自分が大切にしている価値観

 

少子高齢化を背景に、深刻な労働力不足の時代です。

外食産業、飲食店は再び3K、ブラックという名のもとに稀にみる労働力不足です。

時間単価を他社より上げる、インセンティブ制度で社員の所得増加をと、その取り組み自体の是々非々ではなく、求職者の真のキャリア・アンカーと採用者や会社は向き合わないと、マッチングできません。

仮に経済条件だけで採用しても、必ずアンマッチが発生します。

 

有効求人倍率が1以上の今、いわゆる人手不足は続きます。

中小規模のフードビジネスにおいては深刻な問題です。

事業展開したくとも、人財不足でできない・・・

人には必ずキャリア・アンカーが働くことを、経営者や経営幹部は認識しないと、採用担当者に丸投げでは、新規採用、既存従業員の定着率向上にはつながらないことを再確認する必要があります。