同族経営における「戦略の立案」と「組織づくり」

時代は現在、場所は福岡市(仮)、これからの地方都市でどちらの方針が会社を発展させるのでしょうか。

 

①20代後半の2代目を約束された将来の経営者の若き息子。

(事業承継で、IPOやM&Aを選択せず、同族経営を選んだケース)

創業者社長である父親から引き継いだ地元密着の飲食業に、ITやSNSを活用した最新戦略もどんどん取り入れた展開を夢見ている。

口コミに頼らず、自社HPを作成し、情報発信や商品開発・地産地消をSNSをリンクさせ、集客につなげていく。

そのために日々、世の中のトレンドを掴むことに余念がない。

 

②かたやパソコン自体が苦手な創業社長の経営者。

トレンドを流行り廃りと重きを置かず、長年の組織運営の経験から、従業員のやる気を引き出し、引っ張っていくことに長けており、結果、従業員からも慕われ、地域のお客様にも愛されている。

 

戦略と組織の議論においては、2つの理論があります。

1.戦略重視・・・「組織は戦略に従う」・・・アルフレッド・D・チャンドラー

これは将来の経営者の若き息子の考え方

2.組織重視・・・「戦略は組織に従う」・・・H・イゴール・アンゾフ

これは年配の創業社長

要は、20代後半の将来の経営者は、最新のトレンドに基づく、IT・WEB戦略の展開を目指しており、年配の創業社長は組織の力を引き出すことから逆算して事業の継続を目指す。

 

結論、これからの地域密着経営は、「戦略」と「組織」の両建てです。

戦略を立てない経営者も、人財育成をしない経営者もいません。

なぜなら経営者の最大の仕事は「戦略の立案」と「組織づくり」だからです。

 

「業績」「マネジメント(管理)」「資金調達」「マーケティング(販促)」「オペレーション」「商品開発」

・・・と様々な経営課題の中で、本質的な経営課題の「戦略の立案」と「組織づくり」は経営者がしなければならない最重要課題です。

他人に任せられない、というよりも任せていたら「経営者」でなくなるからです。

 

将来の経営者の若き息子が大切にする、時代の流れを読み、最新の戦術を自社に取り入れていくには、「実行す組織についての理解を深め、組織づくりをすること」が、求められます。

年配の創業社長が大切にする、時代の変遷に関係なく、不変の組織づくりをするには、「従業員が持ち合わせる最新のトレンド(傾向)を理解すること」が求められます。

 

IT時代におけるWEBサービスやSNSの活用といった「企業戦略」と、従業員のスキルUPを図りながら強固な組織づくりをする「組織開発力」。

結局は、現在の地方都市(仮に福岡市)では、両建ての仕組みが必要と言えます。

中小規模のフードビジネスや個人飲食店では、事業承継に同族経営の選択肢を選ぶケースが大半を占めます。

事業承継のあり方ではなく、「戦略の立案」と「組織づくり」のコンセンサスが得られないと、上記の例が対立の構図であった場合、従業員は路頭に迷うだけです。