フードビジネスにおけるベンチマーキング例
競合他社や業界のリーダー企業、そして異業種をベンチマーキングすることは非常に大切です。
ベンチマーキングは、優れたビジネスプロセスを規範(ベンチマーク)として、自社のビジネスプロセスを比較し、運営管理や開発フロー等の業務の問題点や改善点を明確にし、経営の改善につなげていくのが目的です。
以下はフードビジネス業界のあるリーダー的企業のビジネスプロセスです。
この企業は、様々な切り口で経営のリスクを分散しています。
例えば、
1.テーブルレストランとファーストフードの展開
2.郊外型と都市型の展開
3.直営事業とFC事業の展開
単一業態を1~3の切り口で展開するチェーンはありますが、この企業は多業態をバランスよく展開することで、リスクを分散させています。
また展開業態に陰りが見えないうちに、新業態の開発、実験を済ませるなど、次の成長ドライバー作りには余念がありません。
食の安全を脅かす外的要因や、お客様のニーズやウォンツの動向に追われるのではなく、先を見据えた業態開発が得意です。
業態開発の基本コンセプトとして、成熟化したボリュームマーケット(売上高500億以上が目安)に注目し、独自の付加価値を付けて参入します。
要は新しくマーケットを創造するよりも、事業リスクが低いとこの企業は考えているわけです。
独自の付加価値の代表的なものは、
①専門化
②和風
③希少性
④小型店
⑤簡便な店舗オペレーション
などを切り口としています。
また売上高FLR比率が60%以下になるまでは、決して多店舗展開をしません。
フードビジネスのコストをFLでなく、FLR(原価・人件費・家賃)の3大コストで管理します。
さらに新業態は社員が自由に提案できます。
しかし、その提案は経営者の視点で開発されたものでなければなりません。
なぜならば、その提案者はその業態をモデル店舗として立ち上げ、立地の違う3店舗がビジネスモデルとして確立されれば事業に昇格させ、子会社として事業会社の経営者になるからです。
常日頃からベンチマーキングの手法を取り入れて、実践していくことが次の成長ステージを目指す中小規模のフードビジネスには大切です。
※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。