2つのリーダーシップが連鎖すれば

「活性化された組織のリーダーシップ」で、『できる』リーダーが頑張りすぎると、「無責任ウィルス」が発生すると伝えました。

リーダーが、「自分が頑張らないといけない」思いすぎると、現場が逃げてしまったり、極端に指示待ちになったりすることです。

 

『「頑張りすぎる人」が会社をダメにするー部下を無責任にしてしまう上司の法則ー』の著者、米国の経営学者J .ロジャー・マーティン氏によって提唱された「責任量一定の法則」という考え方があります。

簡単にいうと、リーダーの責任量と部下の責任量の和はいつも一定するというものです。

そこから責任過剰と責任過少が生まれ、責任を取るか取らないかの過度の二者択一にまで発展してしまいます。

 

さらに「活性化された組織のリーダーシップ」は、常に一定のリーダーシップではありません。

定常期のリーダーシップは、サーバントリーダーシップに従います。

「『やるべきこと』が共有されていて、部下にこれを行う能力もやる気もあるのなら、リーダーのなすべきことは、これを邪魔しないこと。

彼ら彼女らがこれを成すことを最大限手助けすること」とされています。

 

しかし、変革期のリーダーシップは少し違い、サーバントリーダーシップでは組織はうまく動きません。

金井壽宏氏の「経営組織」から一部抜粋させていただくと、変革期のリーダーは、

1.将来に関する夢のある大きな絵をビジョンとして示すこと

2.環境変化の動向をかぎ分け、変化の意味づけや理由を示すこと

3.ビジョンの実現に資するような具体的な活動に、社員が挑戦することを促すこと

4.ビジョンの実現のプロセスでは、厳しさをみせること

5.自分についていく社員のケアリングと育成をすること

6.ビジョン実現に必要な情報や資源を入手できる人的ネットワークを持つこと

7.一連のプロセスで起きる社員の感情の問題に敏感であること

とされています。

 

中小規模のフードビジネスにおいてもリーダーは、発揮するリーダーシップの違いを認識した上で、「成すべきことを決め、出来る仕組みを作り、人を育て、やる気を引き出すこと」が肝要です。

このリーダーシップは連鎖します。

夢のある大きなビジョン、意味や理由の説明、高い専門性など、次々に下位組織に連鎖すれば、強固な組織改革につながるはずです。

 

リーダーとしての行動の自己評価