マネジメントコントロール(経営管理の統制)は予算編成から

経営管理者(マネジャー)は、戦略計画に基づく短期(単年度)経営計画に基づき経営統制を行います。

通常、目標達成活動といわれるものです。

つまり、企業(会社)目的を達成する為に策定された「短期経営計画」に基づき業務活動が遂行されます。

当然のことながら、短期経営統制では期間毎に「業績測定」が行われます。

 

予算編成がされている場合は、業務活動の結果である実績を予算と比較するという予算統制が中心となります。

計画された予算に対する実績との差異、いわゆる「予実差」管理です。

中小規模のフードビジネスにおいて、ある程度の規模になったにも関わらず、予算編成がされないまま運営管理している会社をみかけます。

前年対比がすべてで、それはそれで常に「増収増益」を目指す経営者の強い意思の表れなのでしょうが、従業員の業績評価対象に重きが置かれ、業績検討が深堀されず、この管理手法ではどこかで頓挫します。

 

そこで予算編成並びに統制が必要となります。

予算(目標)は、

①どのようなプロセスで策定されるのか

②どのようなやり方で日々の業務とリンクするのか

③どのようなやり方で業績測定されるのか

④どのようなやり方でフィードバックされるのか

⑤改善や処遇につながっているのか

について経営管理者(マネジャー)は理解しておく必要があります。

 

短期経営統制(単年度計画による統制)は、当然のことながら将来の目標や経営計画の策定に役立つ必要があります。

また結果をみて計画(ターゲット)との乖離があったならば、すぐに業務活動の検討をし、必要な改善を行わなくてはなりません。

間違っても計画数値の下方上方修正ではありません。

 

通常、予算統制は財務的な測定指標を中心に行われますが、それだけでいいのでしょうか。

注意しなければならないのは、「売上をあげり、利益を上げろ」ということのみが要求され、何をやり、どのようにしてそれを達成すればいいのかが明示されていないことです。

 

また、長期経営計画の戦略計画が単年度計画におろされ、本当に日常業務と結びつき、必要な改善や改革を継続的に実施いていけるようになっているのでしょうか。

そういう背景を踏まえ、バランス・スコアカード(BSC)は「戦略、単年度計画(予算計画)、日常業務、業績測定、フィードバック、継続的改善」をナビゲーションする道具=システムとして期待できます。

予算編成並びに統制は、一朝一夕にはうまくいきませんが、もし前年対比のみで管理している小さな会社は、まずは重要な成果指標だけでも良いので目標設定をすべきです。