戦略の分析的アプローチ①-SWOT分析

「戦略的マネジメントサイクル」において、構成する戦略策定は、「何をなすべきか」「何ができるか」ということでした。

「何をなすべきか」が「戦略の分析的アプローチ」、「何ができるか」が「戦略のプロセス的アプローチ」でした。

まず、「戦略の分析的アプローチ」の視点から見ていくと、

1.企業内外の環境分析をすること、よくご承知の定番のSWOT分析です。

①内部環境は内部資源の強み(Strength)、弱み(Weakness)で表されます。

②外部環境は機会(Opportunity)、脅威(Threat)で表されます。

 

2.分析された外部環境に自社の内部環境を適合させます。

3.自社の事業領域(ドメイン)と成長の方向性を意思決定します。

ドメインは、

①「誰に(市場)」

②「何を(製品・サービス)」

③「どのように」の3次元軸で規定されます。

どうして1~4の内外環境の分析から事業領域を決定するかというのは、内部環境で到達可能な戦略範囲でなければ、その戦略は実現できないからです。

 

「外部環境を読んで成長の枠組みを考え、それに応じた組織をつくるとともに市場へのアクセスを考え、人的資源の質を高めることで営利性を追求すること」の理解は、専門的なキーワードや理論ではなく、身近な事例を通して掴むと戦略を創る意味合いがわかります。

中小規模のフードビジネスにおいて、昨今、肌感覚で実感した外部環境変化は、まさに労働環境変化とインバウンドでしょう。

エコノミストやアナリストの指摘は以前からあったものの、誰がここまでの労働力不足を予測し、誰がここまでの訪日客の急増を予測したでしょうか。

さらに予測は出来ていても、連日の報道の前にその対策を具体的に打っていたでしょうか。

 

戦略は循環的にコントロールして既存事業の拡大や、新規事業に結びつけなければなりません。

以前、セミナーや研修でSWOT分析は行った、SWOT分析は理論で実現性がないという声を多くの飲食店経営者から聞きます。

激変する外部環境を読んで今ある内部資源を分析することは、以前やったからでは将来の命取りになる重要な戦略の分析的アプローチの一つです。

内部環境の強みと弱みが戦略の到達可能かどうかの判断基準になるからです。

決して創業時の戦略策定のアプローチの延長ではなく、循環的なアプローチが必要です。

 

戦略の分析的アプローチ②-競争戦略