飲食店に限らず「なぜ」を繰り返していけば真因にたどり着く

「論理的思考」である「ビジネスシンキング」は非常に大切で、是非とも身に付けたい手法は6つでした。

1つ目は「分ける」、2つ目は「MECE」でした。

 

3つ目の「ロジックツリー」とは、「MECE」をもとに、複数の階層で情報を具現化していくことです。

「ロジックツリー」とは、問題の原因を深堀したり、解決策を具体化したりするときに、限られた時間の中で広がりと深さを追求していくのに役立ちます。

ツリーとは、葉の生い茂った木という意味であり、問題の原因や解決策をツリー状に論理的に分解・整理する方法です。

単なるアイデア出しとは違って、問題の本質や具体的な解決策を「もれなく、ダブりなく」、体系的に導き出すことができます。

 

「ロジックツリー」の形は、例えば高校野球などのトーナメント表の形を想像すれば良いでしょう。

最上段(一番上)の頂点に優勝校1校、二段目は決勝戦を戦った2校、3段目は準決勝の4校、4段目は準々決勝の8校、以下末広がり・・・とイメージすれば分かると思います。

 

具体的な例として、「飲食店の売上高」をテーマに、最上段の項目(テーマ)を「売上高の向上拡大」とします。

これを2つに分岐すると、「売上高=来客数×客単価」ですから、二段目の一つを「来客数の増加」、もう一つを「客単価の増加」に設定できます。

更に、三段目は「来客数の増加」を「新規客の獲得」「既存客のリピート」と2つに分岐でき、もう一つの「客単価の増加」は「注文数の増加」「高単価商品の投入」という風に4つに分岐できます。

先程の高校野球のトーナメント表でいうベスト4の4校に当たります。

以下、ベスト8、ベスト16とロジックツリーを末広がりさせていけば良いわけです。

 

末広がりさせていくとは、具体化の方向へ深堀していくという意味合いです。

別の言い方をすれば、頂点(最上段)=テーマに近いほど抽象レベルの高いカード(項目)で、深堀するほど具体的なカード(項目)と言えます。

 

この「ロジックツリー」の作成上の留意点は、

①同じ階層(段)は抽象レベルをそろえること

②各階層(段)において「MECE=漏れなく、重複なく」状態になっていること

③階層(段)が下位に向かってより具体化されていること

の3つです。

但し、下位の階層(段)においては、少々の漏れや重複は気にしなくても構いません、なぜならこの階層はかなり具体化されたカード(項目)だからです。

 

論理的思考の「ビジネスシンキング」の6つの中でも、この「ロジックツリー」が中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営において、使い勝手の良い手法です。

「なぜ?=WHY」を繰り返し、要因から原因、そして真因を突き止める思考回路に同じだからです。

➡「売上が悪いのはなぜか?」

➡「客数が減ったからです」「ではそれはなぜ?」

➡「常連客が減ったからです」「ではそれはなぜ?」

➡「メニューが飽きられてます」「ではそれはなぜ?」

➡・・・

「なぜ」を繰り返していけば、真因にたどり着き対策が打てます。

また、常連客が減ったことはメニューが飽きられただけなのか、MECEすることで横展開的に抜け漏れなく対策が打てるからです。

 

【関連記事】

その主張は単なる思いつきや感情論に終わっていないか?

【前回記事】

フードビジネスでの人手不足を嘆く前にやるべきことはやろう

※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。