その主張は単なる思いつきや感情論に終わっていないか?

「論理的思考」である「ビジネスシンキング」は非常に大切で、是非とも身に付けたい手法は6つでした。

4つ目は「マトリックス」で、複数の情報の位置関係をわかりやすく整理することです。

 

「マトリックス」とは縦と横の二軸で多くの要素を整理し、分析するためのツールです。

主な用途は、対象物の位置関係を客観化すること(ポジショニング)にあります。

PPM(プロダクト・ポートフォリオ・マネジメント)やSWOT(強み・弱み・機会・脅威)分析モデルなども「マトリックス」の形になっています。

 

作成上の留意点としては、

二つの軸(縦軸と横軸)で表現すること

三つの軸で表現すると、理解することがより難しくなります。

二つの軸の関係性は独立していること

相関関係があると、わざわざ二軸で表現する意味が薄れてしますからです。

先程のPPM分析でいえば、縦軸を「市場の成長率」、横軸を「相対的なマーケットシェア」とし、それぞれの「高⇔低」で4つのポジショニングを設定しています。

(花形・金のなる木・問題児・負け犬)といった具合です。

 

5つ目の「三角ロジック(演繹法と帰納法)」とは、仮説を作り上げていく際の、論理的な道筋の形式のことです。

論理的なコミュニケーション(ロジカル・コミュニケーション)には、合理的な根拠が必要となります。

つまり、主張には具体例、統計資料、専門家等の意見など、客観的な裏付けが必要不可欠です。

でなければ、その主張は単なる思いつきや感情論に終わってしまいます。

「主張」「事実」「論拠」の関係を三角形でしめしたものが「三角ロジック」です。

 

「主張」・・・結論・言いたいこと・クレームなど

「事実」・・・現象・事例・統計データなど

「論拠」・・・一般原則・前提・理由付けなど

 

例えば「主張」が、『福岡の野菜ちゃんぽんの値段が上がるだろう』

その「事実」は、『今年は台風が例年より多く福岡に上陸し、野菜が不作であった』

なので「論拠」は、『原材料の野菜不足は、その加工商品(メニュー)の値上がりの原因になる』という三角ロジックです。

 

中小規模のフードビジネスにおいて、会議体やプレゼンテーション・交渉の場などで、議論がかみ合わず、場が荒れるケースが良くあります。

それは提案する側も質問する側も的が外れ、論点がずれてしまうからです。

この場合、結局は力関係によって結論付けがなされます。

「論理的思考」に立てば、過去の経験や思いつき、そして感情論に流されることはないのですが。

 

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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。