経営提言の難しさに見るロジック組み立ての大切さ

「事業戦略の立案と経営提言の骨子づくり」のNPCコラムで「経営提言」に触れましたが、非常に難しいものです。

過去の経験上、参加した研修で私のチームの「経営提言」に対する講師の評価は、

1.結論ありきになっている

2.結論の背景(論拠)は?

3.財務インパクトがない

4.市場の競争優位性(強み)がはっきりしていない

と散々な酷評でした。

 

結論ありきになるのは、

「代替案がない証拠、要は考えているようで考えていない」というものでした。

チームの「メンタルモデル」が作用しすぎて、見えていない、すなわち見たいものしか見ないメガネをかけていると。

そして分からなくなるから、安易に「原点回帰」という名のもとに結論ありきになることでした。

 

結論の背景は、根拠(論拠)がないというものでした。

「経営提言」はまさにロジカルシンキング(ビジネスシンキング)の「三角ロジック」で主張しなさいと。

ロジカルシンキングのうちの一つ「三角ロジック」。

こうしましょう!こうこうこうだから、というロジック(論理性)です。

主張→データ→論拠、このつながりが大事で、それがないと全く背景が伝わらないと。

また主張を正当化するためのデータはゼロベースで考えるというもの。

なぜなら、「メンタルモデル」や「パラダイム」が影響し、安易な主張のローデータになるからでした。

例えば、安売りとか多店舗化という答えありきでは、拾うデータがそのデータしか拾わないからです。

 

財務インパクトに関しては、また別のNPCコラムで詳しく解説したいと思います。

 

最後に、市場の競争優位性(強み)に関しては簡単です。

他社や違った業界のベンチマークができていないことでした。

自社の変遷の中で物事を見ても、それは「プロダクト・アウト」にしかならないと。

 

経営提言の難しさとは、その内容の是々非々ではなく、結論にたどりつくまでの過程です。

経営提言は事業戦略を立案し、会社を変革させていくための手段ですから、その過程のスキルも学んでいかなければなりません。

「共創戦略研究所」のプロジェクトは、勉強会ではありません。

しっかり「戦略MAP」を創り、実行することが目的ですから、それぞれの事業規模に応じて必要不可欠なプロセスで運営していきます。

中小規模のフードビジネスでは避けがちなプロセスですが、変革のためには乗り越えなければならない課題です。

 

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