米国大統領選挙の公開テレビ討論会はディベートなのか?
「論理的思考」である「ビジネスシンキング」の最後の6つ目は、「ディベート」でした。
「ディベート」とは、肯定と否定に分かれて議論し、その論理的優劣を競うゲームのことでした。
そのフローは、「①問題発見➡②論題設定➡③調査➡④議論構築➡⑤試合➡⑥意思決定」というものでした。
補足的に、⑤の「試合」とは、二者択一まで煮詰まった争点で、どちらか一方に決めなくてはならないものが「論題」として取り上げられます。
この「論題」を支持する立場(意見)が肯定側であり、この「論題」を否定する立場(意見)が否定側となります。
また、客観的な立場から肯定側と否定側のいずれかの議論の優位性を判断するのが審判という立場です。
①論題に対して➡肯定側と、論題に対して➡否定側
②肯定側と否定側が議論する
③審判は、➡肯定側と否定側の優位性を判断する
判定基準は、立証された肯定側立論が崩されなければ肯定側の勝利、逆に肯定側立論が崩されれば否定側の勝利というものです。
ちなみに、ディベート甲子園なるものもあり、例えば論題は
・日本はサマータイム制を導入すべきか、否か
・日本は中学生以下の携帯電話の使用を禁ずるべきか、否か
・日本はごみ収集を有料化にすべきか、否か
といったものです。
中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営において、例えば、最近煙草の煙を嫌がる女性のお客様が多く、来店につながらないという問題があるとします。
「ディベート」は、問題解決のための重要な論点について、肯定側と否定側の両方の立場から正々堂々と議論をぶつけ合うもので、問題解決から意思決定までを範囲とした問題解決プロセスの全体を指しています。
「試合」をしなくとも、「当店は全席禁煙にすべきか、否か」についてルールに基づいて、議論をかわすことは有意義なことです。
「朝まで生テレビ」は本来はディベート形式なのでしょうが、どうなのでしょうか。
今話題の米国大統領選挙の公開テレビ討論会も、「ディベート」という名がついていますがどうなのでしょうか。
ネガティブ・キャンペーン的に相手を誹謗中傷する議論は聞いていても、楽しくはなく建設的とは言えません。
ここまで論理的思考の「ビジネスシンキング」の具体的な手法として、6つの手法を紹介してきましたが、
この6つの手法はそれぞれが独立したものではなく、相互に関連しあったものになっています。
「ビジネスシンキング」とは難しい理論ではなく、習慣化と訓練でコツさえつかめば簡単に身に付くものなのです。
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