「総論賛成、各論反対」で折角の提案が否定されていないか?

「ロジカル・コミュニケーション」とは、「論理的にまとめ、簡潔に分かりやすく伝える技術」のことで、要は「相手に伝わる」ことでした。

その為には、「相手が反応するために必要な要素を確認すること」が大切で、必要な要素とは、「結論」「根拠」「方法」でした。

 

「結論」のチェックポイントは3つで、

①質問に部分的にしか答えていない場合の例は、

Q、「中小規模のフードビジネスの人材紹介(有料職業紹介)という事業は、儲かるのか?」

A、「今後も引き続き市場の拡大が見込めると思います」

②質問に答えになっていない場合の例は、

Q、「中小規模のフードビジネスの人材紹介(有料職業紹介)という事業は、儲かるのか?」

A、「当社の企業イメージが良くなる可能性はあります」

であったり、

Q、「中小規模のフードビジネスの人材紹介(有料職業紹介)という事業は、儲かるのか?」

A、「私の入社以来の夢でした。是非とも挑戦させて下さい」

など、論点がずれており、課題の答えになっていません。

 

2.範囲や定義は明確になっているのか、示しているのか

「新規ビジネスへの参入としては」や「更なる収益性の拡大のためには」や「今後のグローバルな展開を見据えれば」などは、あまりに範囲が広すぎてその定義も不明確で、何も言っていないのと同じになってしまいます。

一般論と同じで、現状が把握できず、これでは経営者は判断のしようがないということです。

 

3.曖昧な条件付きフレーズになっていないか

「原則として」や「基本的には」や「場合によっては」そして「状況に応じて」などはよく使われる言わば「条件付き」フレーズです。

定義なくこのようなフレーズを使うと、解釈の幅が広がってしまい結論がぼやけてしまいます。

判断する人たちにとっては、「総論賛成、各論反対」になってしまう可能性が極めて高くなります。

 

余談ですが、言葉の使い方は難しく、ある性質を大まかに捉えると「内包(ないほう)的」になり、指し示すものが具体的、限定的になれば「外延(がいえん)的」になります。

分かりやすい例えでは、

「デザート」は内包的で、「福岡糸島産あまおう苺」は外延的な表現と言えます。

 

中小規模のフードビジネスにおいても、経営者や経営幹部に「この事業をしたい」「この市場に参入したい」という主旨の提案をするのであれば、「総論賛成、各論反対」にならないように伝えなければなりません。

 

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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。