経営者の軽はずみな一言は、伝え下手では済まされない

私は若い頃は無趣味で、諸先輩方に「趣味を持て」とよく教わりました。

成功している多くの経営者やビジネスマンの方々は、「仕事と趣味(遊び)の両立」「やる時はやる」「休みの日に仕事の話はしない」とよく言われます。

成功している方々の共通項目なのかもしれません(私見です)

 

来たる12月9日に福岡市に本社をかまえる株式会社ピエトロ(東証一部上場)は創業36周年を迎えます。

代表取締役の村田邦彦社長は、私の人生の恩人であり、ビジネスにおける恩師でもあります。

その村田社長の2冊目の著書、「はじまりは一軒のレストラン―ピエトロ成功物語」にこんな一節があります。

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(そのまま引用)

「仕事も遊びも一生懸命」

ここまでの半生をふりかえり、つらいことや嫌なこともあったと思うのですが、思い返すのは不思議と面白かった思い出ばかり。

それはどんなに仕事が忙しいときでも、遊ぶことを制限しなかったからかもしれません。

本文中でも少しお話ししましたが、私には9つの趣味があります。

(中略)

そしてこれは結果論ではあるのですが、こうして趣味に没頭してきたことが、仕事にも役に立ったのではないかと思っています。

(中略)

昨今はビジネスシーンでワークライフバランスという言葉をよく聞くようになりました。

いまの若い人たちは、私たちの世代よりもきちんとプライベートを充実させているように思います。

それでも、まだまだ日本では、商いに明るさが足りないと思うのです。

ハードに仕事に熱中してプライベートを犠牲にしているか、あるいは、プライベートを大事にしているぶんビジネスもそこそこに、とりあえず会社に行ってお金をもらえればそれでいい・・・というように、両極化しているような気がします。

そうでなはなく、仕事も遊びも一生懸命、全力投球。

稼ぐときは稼いで、遊ぶときは全力で遊ぶ。

どんなに忙しくても、おしゃれを楽しむ余裕は捨てず、稼いだお金はしっかり使う。

自分の好きなことや、好きな人たちのために。

(引用終了)

 

一方で、私の知人が知る経営者の方で、「趣味は仕事、本業は遊び」と社内外に豪語されている方がおられるそうです。

会社不在時の既成事実は、「趣味は仕事、本業は遊び」という名のもとに。

その経営者の方の真意は私には分かりませんし、本当は違うのかもしれません。

経営者の方は往々にして、「言葉足らず、伝え方が下手」という傾向があります。

しかし、この話が本当であれば、少し言葉が足らな過ぎます・・・。

現にその会社の従業員の方は「ああいうことをあからさまに言われると、我々従業員のモチベーションは一向に上がらない」とボヤいているそうです・・・。

 

中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営において、社内(店内)に従業員の愚痴がないことはありません。

しかし経営者の軽はずみ(無神経な)な言動は愚痴レベルではなく、従業員のやる気を、経済条件(待遇)ではない部分で損なっていることをしっかり認識しなけばなりません。

 

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