フードビジネスは「組織設計」の見直しが必要

多くの中小規模のフードビジネスにおいて、分かってはいても進んでいないのが、「組織設計」です。

「組織設計」とは、単なる江面(えづら)ではなく、「価値連鎖の強み」を発揮して、「経営戦略」を効率的に実践するために必要なものです。

「組織形態」は通り一辺倒なものでなく、「経営戦略」とともに柔軟的に変化しなければなりません。

そのためには、やはり理論として各組織形態の目的やメリット・デメリットを経営者はしっかり理解しておかなければなりません。

また、組織がその機能を十分に発揮するためには、組織成員が企業目標に沿って動機づけられている必要があります。

個人や集団に対してどのような管理のスタンスをとるのが良いのかが重要で、これも通り一辺倒では成り立ちません。

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例えば、

① 事業を立ち上げたばかりで、ほかの事業も存在しない会社では、単純な専業的組織で十分です。

② 複数の既存事業を持ち、更に将来的な新規事業を模索する会社では、研究開発も行わなければならず、組織は複雑化します。

③ 複数の既存事業の多くが成熟期を過ぎようとしている会社では、既存の組織を一旦白紙化し、人的資源を大幅に入れ替えることができる組織形態も必要です。

すなわち、会社は事業の幅と深さの違いで最適な組織が変わるということです。

 

先に述べたようにただ通り一辺倒の江面の「組織設計」では、「競争優位性」を構築できません。

すべての事業は業界内で競争関係にあると考えれば、いかに「組織設計」が重要かが分かります。

上記の例で言えば、②の場合、中小規模のフードビジネスでよくみられるケースが、既存事業の組織で新規事業の研究開発などをまかなうことです。

経営者は小さな本部と評しますが、小さな本部とはムリ・ムダ・ムラのない骨太な筋肉質の組織のことであり、決してやるべきことをやらない(できない)組織のことではありません。

この考え方では競争優位性は構築できず、組織は疲弊します。

「組織設計」は関連記事でも述べているように、「価値連鎖」の考え方を展開したものでなければなりません。

 

【関連記事】

戦略の分析的アプローチ③-価値連鎖

【前回記事】

福岡市でフードビジネスに参入する場合㉒ーWP

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