「ライン・アンド・スタッフ組織」に変えてみたものの
事業が成長基調にあるときには、縦型(ヒエラルキー型)組織が適しています。
一方、事業が成熟して新たな事業展開などを模索すべきときには、横型組織が適しています。
縦型組織とは一般的に、経営トップから組織の末端までを一本の線(ライン)でつないでいる「ピラミッド型」組織のことです。
この線(ライン)とは、実は指揮・命令系統のことを指します。
多くの企業(会社)の恒常的な組織形態はこの縦型組織です。
尚、横型組織とは、プロジェクト組織や社内外の連携組織、ネットワーク組織を指しますが、実際には一般的ではありません。
「縦型組織」とは、原則として経営トップ(社長)からすべての現場までの指揮・命令系統を一本の線(ライン)で表現することができる組織です。
この「縦型組織」は「ライン組織」と「ライン・アンド・スタッフ組織」の2つに大別することが出来ます。
「ライン組織」とは、経営トップ(社長)に権限が集中しており、各部門に対して社長が直接的に指揮・命令を行うものです。
この「ライン組織」のメリット・デメリットを上げると、
① メリット
経営トップ(社長など)が直接指揮・命令を行うので、迅速な意思決定が可能になること
② デメリット
組織成員が増加したり、部門が大きくなったり(増加)すると、経営トップに大量の情報が集中し、適正な情報処理が行えず、意思決定が遅れる場合があること
「ライン・アンド・スタッフ組織」とは、本来は「ライン組織」のデメリットを解消するためのものです。
すなわち、ライン組織が成長して部門が大きくなる(増える)と、経営トップ(社長など)に大量の情報が集中し、経営トップの集権化が限界となります。
そこで、ラインの情報処理や職能に助言するスタッフ部門を設けるのです。
この「組織形態」が中小企業には適しており、実際に多く見られる形態です。
この「ライン・アンド・スタッフ組織」のメリット・デメリットを上げると、
① メリット
指揮・命令が混乱することなく、経営トップの負担も軽減できること
② デメリット
組織の規模が大きくなると、スタッフ部門の権限が大きくなりすぎる場合があること
しかし、このデメリットは、スタッフ部門としての意思決定対象を明確にすることがポイントとなり解消できます。
中小企業のフードビジネスにおいて、成長前の小規模状態はやはり「ライン組織」です。
いわゆる社長以下、店長たちが文鎮型に配置されます。
その数が増えると、その文鎮型に限界が来ます。
組織論を学んだ人や外部の人はそれを指摘し、社長は「ライン・アンド・スタッフ組織」に変更します。
しかし大切なことは、文鎮型組織の横にスタッフ部門を配置しながらも、ラインの情報処理や職能に助言するスタッフが機能されず、結局社長自らが大きくなった組織のすべてに指揮・命令系統を持つことです。
それは社長自らがスタッフ部門の「職務分掌」を把握していないことに尽きます。
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【新着情報】2017年1月1日