変革の焦点である組織文化とは
組織文化を積み上げる土台となるのは、価値観と信念である。
中核の価値観は、組織が良いあるいは悪いと信じるものの発露である。
あなたが信じようが信じまいが、価値観は承認されるとか承認されないとかいうものではない。
例えば、会社として重要視する「誠実さ」、「品質」、「業績」、あるいは「技術」といったものである。
集団として優先するものを記述した、基本的に信奉される項目なのである。
(ゼロックスの例え省く)
これに対して、信念は世界がどのように作用しているかについての特定の見方を具現化したものである。
因果関係を説明するもので、議論の対象となる。
例えば「技術革新は市場のリーダーシップにつながる」とか「顧客サービスへの熱意がビジネスを築く」とか「高品質は競争上の優位の強力な源である」などである。
こうしたことはいずれも、広く信じられている信念を述べたものである。
こうした信念は、特定の業界や競争の状態によって、有効な場合とそうでない場合とがある。
文化の第三の要素である規範は、価値観や信念が行動に現れたものである。
人々が組織の価値観や信念と一貫する形で、どのような行動するかということについての期待である。
文化には、集団内の人々に共通して支持される価値観と信念と規範(期待される行動)のセットに関わっている。
したがって、文化は、人々がともに抱く価値観と時間をかけて彼らがともに築いてきた信念によって定義される。
そして組織のメンバーに、組織についての統合的なイメージを与えるものである。
文化は時が経つうちに強くなる。
ひとたび根を下ろすと、変化に対して激しく抵抗する。
人々は自分たちのキャリアを育て、仕事上の関係を形づくってきた価値観と信念にしがみつく。
この点が文化の弱点ともなる理由である。
デービット・ナドラー、マイケル・タッシュマン「競争優位の組織設計」より一部抜粋引用
中小規模のフードビジネスや個人の飲食店経営において、「信念=○○だから×××」、例えば、品質が良ければ売れる、といった決めつけが必ずあります。
会社の変革の焦点は、「組織文化」であり上記のように非常に難しく、また極めて重要です。