買い手の選択領域と選択基準から「顧客価値」を導く
「買い手の選択領域と選択基準」の例としては、非常に広範囲にわたり、以下のようなものが挙げられます。
1.会社
会社の評判、取引上の安定感、取引のしやすさ、グローバルな対応力
2.歴史
企業の生い立ちや歴史的過程、成功分野と失敗分野、重大事における行動パターン
3.業界での地位
マーケットシェア、得意なセグメントと製品分野、成長率、市場や業界への影響力
4.財務
収益性、キャッシュフロー、財務管理力(在庫管理・売掛管理・クレジット管理など)、資本力と資金調達力
5.トップのマネジメント
トップの経歴や性格、経営陣の構成、パワーの所在と意思決定者
6.組織文化とマネジメント
変化に対する感受性と柔軟性、企画力や実行力、開発スピード力・納品スピード力・顧客対応スピード力、変革スピード力、革新的と保守的、権力指向・役割指向・課題指向・人間指向、外部志向と内部指向
7.商品特性
パフ―マンスやスピード、そのパフォーマンスの明快さ、使いやすさ、使用されているテクノロジー
8.供給体制
納品期日、待受期間の代替品、地域ごとに部分在庫、JIT(ジャストインタイム)生産能力
9.技術
特許、固有技術や独自ノウハウ、研究・開発分野のマンパワー、創造力、企業家精神、技術サービス力
10.販売力
セールスマンの数と質、販売チャネルの質と支配力、ブランド力、価格競争力、販売促進力、広告宣伝力
11.生産
生産コスト面での業界における地位・規模の経済性・習熟度、生産設備・機械器具の技術水準・新しさや柔軟性、生産上の特許・実用新案・ノウハウ、品質管理・生産管理・資材管理などのマネジメント力、労務・輸送コストに必要な工業立地、生産分野の従業員の質・労働組合の特徴、供給業者の数と質
12.サポート体制
保証書、電話でのサポート、操作とメンテナンスのマニュアル、顧客に対するトレーニング
という領域や基準になります。
「ビジネスモデルを考えるフレーム」における「鍵となる経営資源と業務プロセス」とは、まさにこの「買い手の選択領域と選択基準」そのものです。
その中から、「顧客価値」としてどこに焦点を当てるのか、すなわち、何を減らして、何を取り除くのか、更には何を増やし、新たに何を付け加えるのか、それは「ブルーオーシャン戦略」に他なりません。
中小規模のフードビジネスにおいても、競争を中心としない自社ができる「顧客価値創造」は、成長の機会に無限の可能性を秘め、収益性もレッドオーシャンの海よりはるかに期待できます。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。