経営者の決意が、結果、成就しなくともその会社は

以前、「株式上場」に関して2回ほど書きましたが、その続きとご理解ください。

会社は、業容の拡大に伴い、消費者、取引先、従業員などのステークホルダー(利害関係者)が増加し、それぞれのステークホルダーや社会全体との関係において「社会的責任」を負わなければなりません。

さらに株式が上場することによって、その「社会的責任」は増大していきます。

 

企業(会社)の「社会的責任」とは、Corporate Sociai Responsibility で、CSRという略称で呼ばれ、ボランティアなどの「社会貢献活動」とは異なります。

会社は、国の金融インフラである株式市場において、

1.適切な投資対象としてあり続けること

2.適正な情報開示を続けること

などの「社会的責任」を負わなければなりません。

 

会社は「株式上場」することにより、年金基金、投資信託、事業法人、外国人、個人などの株主(投資者)がさらに増加しますので、「会社価値の増大」という基本使命を持ちますが、「社会的責任」も重要な使命です。

すなわち、「株式上場」にあたり、「経営者」は様々なステークホルダーの要求や期待に応え、社会を裏切ることなく「誠実に」会社運営を継続する「決意」が求められます。

 

また上場準備においては、「コンプライアンス(法令遵守)」「コーポレート・ガバナンス(企業統治)」「企業倫理」や「社会との関わり方」「反社会的勢力排除」など、社会を裏切ることのない仕組み、理念、知識、規範、行動といったものを、「企業風土」として社内に定着させることが極めて重要です。

a0002_001042

経営者は、目先の株価に翻弄されることなく、また「株価が上がればちょっとぐらいごまかしても大丈夫」という悪魔のささやきは通用しません。

「誠実な決意」に基づく仕組みとは、

① 理念・・・企業倫理、社会道徳、社会貢献、社会との関わり方など

② 知識・・・会社法、金融商品取引法、業界法、労働基準法など

③ 規範・・・誠実さ、透明性、公正さ などです。

 

中堅・中小規模のフードビジネスにおいても、株式上場を視野に入れ、

➡1.経営者が上場会社になる「決意」をする

➡2.上場会社に求められる仕組みをつくり、「定着」させる

➡3.株式上場を「実現」する

➡4.上場会社としてさらに「成長」する

という「シナリオ」を描き、「社会的責任に耐えられる体制づくり」を目指したいものです。

 

勿論、「株式上場」が会社の成長のすべてではありません。

結果、「株式上場」が出来なかったとしても、会社が上場のために必要な証券取引所の「適格要件」に適合することは、その経営者が「社会的責任」を果たしていることの裏返しだと思います。

 

【関連記事】

株式上場による経営者のメリットが気になる場合

【前回記事】

福岡市でフードビジネスに参入する場合⑨-実例

※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。

【新着情報】2016年11月24日

人材紹介事業(有料職業紹介事業)の強化に関するお知らせ