福岡市でフードビジネスに参入する場合⑪-自滅型ノイズ
マーケティングにおける「コミュニケーション」はプロセスモデルという大きな概念から入らなければなりませんでした。
受け手(お客様)は送り手(お店)の記号化された「メッセージ」を「解読」します。
そして最後には「反応」という行動を起こします。
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この送り手側(企業やお店)が「メッセージ」を送る場合、考えておかなければならない大切なことがあります。
それは「ノイズ」が入ることです。
「ノイズ」とは、分かりやすく言うと、テレビなどの電波が乱れるといった現象です。
消費者との「コミュニケーション」に現れる「ノイズ」とは大きく2つです。
先に結論を言うと、「ノイズ」とは、「コミュニケーション」を妨げる要素のことです。
1つ目は、家電の価格戦争が分かりやすいのでしょうが、パン屋さんで例えてみます(何屋さんでも良いのですがこのコラムのテーマに合わせて)。
例えば、Aというパン屋さんが消費者(お客様)と「プロモーション戦略」として、「コミュニケーション」を取ろうとします。
仮に「福岡市で最安値のフランスパン○○円」と広告を打ち出します。
それに対して、Bというパン屋さんが、競合商品(フランスパン)の競争的広告(他店より絶対安い○○円)と安値の情報提供をします。
これが一つ目の「ノイズ」に相当します。
当然、ビジネスは競争優位性の世界ですから、このような価格競争にも巻き込まれてしまいます。
しかし、価格競争に巻き込まれたくないA店は、この「ノイズ」に対する対抗手段がないわけではありません。
戦略として、例えば、価格以上の価値のあるフランスパンとか、他商品との組み合わせで価格表示とか、新たな「コミュニケーション」を図れば良いだけです。
一方、2つ目の「ノイズ」は人為的ミスに相当します。
それは、従業員の「個人的」な印象(感想)による「情報提供」です。
すなわち「こだわり」の焦点がずれていて、強みが発揮できないことです。
例えば、パン屋さんのオーナー職人が、自分は苦手だからとアルバイトの女子に情報発信を任せてしまうことです。
苦手なので取り扱いは、アルバイトに任せて構いませんが、内容(原稿)などは決して丸投げしてはいけません。
原稿に責任を持って作成してもらって構いませんが、どんなに忙しくとも「確認」という作業が必要です。
どうして「ノイズ」という考え方にアクセントを置いたかと言えば、「コミュニケーション」の受け手の最終段階は、「反応」という行動だからです。
消費者には、製品の購買や非購買、インターネットの評価のインプットなどさまざまな「反応」が発生します。
中小企業のフードビジネスにおいて、従業員の「個人的」な印象(感想)による情報提供で「ノイズ」は起きていませんか。
お店の従業員に考えさせて、その店の強みをアピールすることに私は異論はありません。
しかし「確認」は必要です(どのレベルの決裁者かは別問題で)
一番問題になるのは、最終決裁者である経営者が個人的印象(感想)で細部まですべてを仕切り、修正がきかないことです。
すなわち、自滅型「ノイズ」です。
ですから、「戦略コミュニケーション」も理解しなければならない理由がここにもあるのです。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。
【新着情報】2016年11月24日