飲食店での「定休日」と「店休日」は全く意味が違う
元旦に家族4人でシネコン併設の商業施設ではなく、単体の映画館(ビル)に行きました。
単体と言ってもフロアごとにスクリーンがあり、地下や各フロアには飲食店が入居しています。
福岡市の中心部にも関わらず、映画館の電気が灯いているだけで、飲食店は皆「店休日」で寒々しい光景でした。
私が現場の当時、路面店(単独店)は経営者の意向で、31日の大晦日と元日は全店定休日でした。
「大晦日くらいこたつで紅白歌合戦を見させてやりたい」と毎年のようにその経営者は仰っていました。
丁度私が店長になった頃に、福岡市も商業施設の開業が始まり、それでも商業施設の年末年始は数日間の定休日がありました。
しかし、今の商業施設は年中無休で、私も大晦日まで働き、仮眠レベルで元旦にお店に行ったものでした。
昨年(2016年)11月くらいから報道されているように、「ロイヤルホスト」は24時間営業をやめ、早朝や深夜の営業時間短縮も進め、「定休日」も検討しています。
百貨店業界では「定休日」復活が相次いでいますが、外食業界では珍しいことです。
「すかいらーく」グループなども同様の動きです。
最大の理由は、深刻な人手不足と従業員らの職場環境改善なのですが。
かかる経費は別として、売上高が最大になるのは、365日24時間営業でしょう。
固定費である地代家賃は、営業時間外も発生するわけですから。
今後の「働き方改革」の流れも受け、飲食業界も営業時間の見直しは大いに進むと思われます。
さて、「定休日」と「店休日」は違います。
「店休日」はお店がお休みであって、「不定休」が含まれます。
チェーン店では原則、店長の個人判断でお店を閉めることはできません。
何らかの形で本部の了承を得なければなりません。
一方、個人店は個人のオーナー(経営者)の判断でお店の営業の有無を意思決定することができます。
その意思決定する背景や状況は全く別にして、「不定休」は本来あってはならないことです。
なぜならば、飲食店は「わざわざ来てくださるお客様」の上に成り立つものだからです。
わざわざ行ってみたら休みで、がっかりしたという経験はないでしょうか。
個人の飲食店経営で生業的経営も含め、「定休日」をあらかじめ設けたり、正月休みなど連休を設けることは大いに結構なことだと思います。
しかし店休日の欄に「不定休」という告知を多く見かけます。
色々な理由があり、それは個人オーナーの考えがあってのことでしょうから異論はありませんが、是非早い告知をお願いしたいと思います。
来週の月曜日を店休日にしようと思うなら、出来るだけ早く告知しなければなりません。(SNSも使い)
お客様の来店頻度は、客単価によって異なります。
一般的に客単価が高ければ高いほど来店頻度は少なくなります。
一方で、客単価が高ければ高いほど、「ハレの日」需要(期待値)が高まります。
となると早めのお客様向きカレンダーが必要ということです。
飲食店経営は、「わざわざ来てくださるお客様」で成り立ちます。
そのお客様の満足度は、「期待値」と「現実」の差(ギャップ)が小さければ小さいほど高まります。
店休日「不定休」の告知一つで、お客様の期待を裏切ってほしくないものです。
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※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。