「経営提言」の学習的意味合い

「共創戦略研究所」のプロジェクトは、経営者1名からでも可能で、経営者、経営幹部、幹部候補、従業員、アルバイトスタッフまで、規模に合わせた組織縦断型プロジェクトと位置付けています。

参加するメンバーによって難易度は違いますが、バランス・スコアカード(BSC)の思考展開を主軸に理解や学習を深め、実際に「経営提言」を行うケースもあると述べました。

 

「経営提言」する対象は、全社規模もあれば、事業子会社、事業、業態、店舗単位とそれぞれ規模に応じて違いはありますが、対象に対してチームあるいは個人の課題は共通で、

1.現状の問題あるい経営課題を鋭くえぐり、聴き手(上層部)が納得する問題解決、課題解決を主張すること

2.それを「自分たち(自分)の主張」として、BSCをベースに「共創戦略MAP」にまとめて主張すること

で、そのポイントは4つで、

①目的的であること

事業(店舗)の価値向上、収益向上のために、顧客満足と効率的オペレーションが重要で、だから具体的にこうべきという論理

②事業(店舗)のクリティカル(重大な、危機的な)な問題を鋭くえぐっていること

③聴き手である上層部が唸り、なるほどと納得すること

④聴き手が論理の因果関係が分かりやすく理解できること

 

また、主張をまとめていく際に注意したいことは、

①基本的な認識として、提案者と聴き手は「関心事」が同じとは限りません。取り上げるテーマの重要性を経営的視点から十分に吟味すること

②事業モデルの提案は、その提案がもたらす収益性についての言及が不可欠

③何がどのように変わる必要があるのかを明示すること

④変化した場合のメリットと、変化しない場合のデメリットを明確にすること

⑤将来の希望する姿(変革)のメリットと共に、実施した場合に現れるデメリットも考えておくこと

 

特に中小規模のフードビジネスにおいては、普段なかなか取り組めない、イノベーティブな「経営提言」を作成する過程において、

①将自分の考えを明確に述べるスキルを高める

(納得性の高いメッセージを、わかりやすく構成し、主張を明確に述べる力)

②構想力、ビジョン形成力を養う

③自分のメンタルモデルの確認と再構築、必要な変革を行う

④課題に対して異なる意見を統合する過程で、関係者の共感を高める

など、「経営提言」を作成する学習的な意味合いとは、将来の経営リーダーとして必要となるスキルを鍛え、自社内で人財育成することを意味するからです。

 

事業戦略の立案と経営提言の骨子づくり

※「共創戦略研究所」とは、NPCが福岡市で運営するプロジェクト支援事業で、NPCとはネクスト・プラクティス・コンサルティングの略です。